詩吟

【詩吟経験者が考察する】エロ詩吟は詩吟なのか?

こんにちは、heyheyです。

今回は少し攻めた内容について考察してみました!

 

それは「エロ詩吟」です。

 

僕が友人からの振りを何度も断ってきた、あのエロ詩吟です。

とはいえ世間的には、エロ詩吟から詩吟の存在を知った方が多いと思うので、

逃げずに考えることにしました。

 

まず、僕の詩吟の経歴はこんな感じです。

●詩吟歴:20年以上

●奥伝、準師範資格あり

●全国大会優勝経験者

●30代前半

 

詩吟の業界では、

「和楽器バンド」には触れるけれど、

「エロ詩吟」には触れないという暗黙のルールがあります。笑

というか、年配の方々相手にエロ詩吟について語る場面なんて無いですからね。

また、これを使って「詩吟どうですか?」と勧誘することもできませんし・・・。

 

ということで、

詩吟経験者によるエロ詩吟に対する真面目な考察という、

きっとオンリーワンになるであろうこの記事を

最後まで読んでもらえると嬉しいです^^

 

ちなみに、もっとざっくりとした説明は、こちらの音声配信でも行っています。

よければこちらもどうぞ。

 

◇ ◇ ◇

 

1. 詩吟とはなにか?

「詩吟」(しぎん)とは、漢詩を読み下したものに、一種の節をつけ、詠うものです。

関西吟詩文化協会HPより引用

まず、詩吟とは何か?から始めたいとおもいます。

 

「詩吟」と聞くと、難しい言葉のように感じますがそんなことはありません。

「詩」を「吟じる」と「詩吟」になります。

【 詩 + 吟 = 詩吟 】

とってもシンプルですね。

 

詩とは、漢詩・和歌・俳句といったものが主流ですが、

例えば宮沢賢治の「雨にも負けず」といった新体詩も

詩吟の発表会では節調をつけて吟じることがあります。

つまり、「詩」という概念はとっても広いんですね。

 

であれば、

エロ詩吟の「エロい詩文」もまた、

広い意味では「詩」と言えるかと思います。

 

漢詩や俳句に比べると、

「重々しさが足りない!」とお怒りになる方が大半かと思いますが、

仮に50年後、100年後の世界からエロ詩吟をみると、

もしかしたら重々しさが付加されているかもしれません。

平安時代の和歌にもそんなペラペラな内容のものはあります。

 

「女の子といちゃいちゃして~~~」が軽いのであれば、

「逢瀬の夜~~」と言い換えたら重いのでしょうか?

 

このように考えると、重い軽いはさして問題ではなく、

「詩」はすべからく「詩」だと言えます。

 

 

2. 吟じるとはなにか?

「詩 + 吟 = 詩吟」という話をしました。

では次に、「吟」とは何でしょうか?

 

吟とは動詞です。

「吟ずる」「吟じる」「吟詠する」といった使い方がされます。

これは「歌う」とは似て非なるものです。

 

詩吟を一度聴いてもらえるとすぐわかりますが、

節調をつけて、唸っているように声を出しています。

これが「吟じる」ということです。

 

正直なところ、正確な定義はありません!笑

僕の20年以上の経験から話すと、

吟じるとは「腹式呼吸を使い、地声を朗々と響かせる声の出し方」と言えます。

 

「胸式」呼吸が一概に悪いとは言いませんが、

やはりボリューム感や強さ、奥行きが足りません。

腹式呼吸が詩吟では必要不可欠です。

 

また、裏声を使ったり、上あごに抜けるような響かせ方も詩吟には向きません。

裏声は使わず、地声を力強く響かせることが大切です。

 

このように「吟じる」を定義すると、

エロ詩吟は詩吟ではないと言えます。

詩は詩ですが、吟ではないからです。

口先だけでひょろひょろと声を出しているので、

あれは「吟じている」とは言えません。

 

もちろん、あえてその芸風にしているのは分かっています。

その方が面白いからですね!!

野太い声で朗々と「女の子といちゃいちゃして~~」

と言われてもザワつくだけです笑

 

 

3. エロ詩吟は詩吟なのか?

では核心の内容に移りましょう。

 

ここまでを整理すると、

◆詩吟とは「詩 + 吟」である。

◆詩とは、漢詩、和歌、俳句だけでなく新体詩なども含まれており、エロ詩吟の内容もまた、一つの「詩」であることは否定できない。

◆吟とは、腹式呼吸を使って朗々と声をだすことであり、エロ詩吟の声の出し方は吟じているとは言えない。

◆よって、エロ詩吟は詩吟ではない。

となります。

 

・・

・・・

 

ですが、ここからさらに頭を柔らかくして考えてみましょう!

 

この理屈であれば、

エロ詩吟の内容を「朗々と吟じれば」詩吟になると言えます。

しかし、それはきっと「お笑い」から離れていくでしょう。(多分・・・)

 

そう!ここがポイントです!

 

そもそも、なぜ詩吟では歌うのではなく吟じるのでしょうか?

これはネットに答えが書いてあるわけではありませんが、

詩吟の教科書にはそれらしき内容があります。

 

それは、「作者の詩情を表現するため」です。

詩文のなかにある作者の詩情を、できるかぎり表現する方法として「吟じて」いるんですね。

 

ではもう一度、話を戻しましょう。

エロ詩吟は詩吟なのか?

 

エロ詩吟は吟じていないから詩吟と言いました。

しかし、吟じる目的が「作者の詩情を表現すること」であれば、

作者(天津木村氏)の詩情(=エロい内容を面白く伝える)を

表現する方法として、あのようなヒョロヒョロした声の出し方もまた

「吟じ」ていると言えるかと思います(広い意味で)

 

したがって、

「エロ詩吟も詩吟である」と言えます(広い意味で)

こんなこと、詩吟界隈では決して言えません!!笑

 

エロ詩吟が通常の詩吟と違うのは、内容。

だから大事なのは、TPO。

 

これをわきまえてさえいれば、

エロ詩吟も「詩吟」という名前がついていても間違いではない、

むしろ、詩吟を広める一翼を担ったのではないかなと僕は考えています。

(ここでしか言えませんが。)

 

◇ ◇ ◇

 

ということで、

僕自身がエロ詩吟をやるかどうかは遠くに置いておいて、

詩吟とは「詩情をできるだけ表現しようとする伝統芸能である」

ということを知っていただければ幸いです。

 

最後はそれっぽくキレイに適当にまとめてみました。笑

今回の記事は以上です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

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